命題 1
期待値、分散の正規分布に従う確率変数と
期待値、分散の正規分布に従う確率変数がある。
これらは独立な確率変数とする。
確率変数は、
期待値、分散の正規分布に従う。
証明
直接的な方法
の確率密度関数を考える。
の確率密度関数をとし、
の確率密度関数をとすると、
これは畳み込み(convolution)と呼ばれている。
今、は期待値、分散の正規分布の確率密度関数であるから、
同様に、 は期待値、分散の正規分布の確率密度関数であるから、
これらを用いて、畳み込みを直接計算すると、
右辺の被積分関数の指数部分にを掛けた式は
分母を払うため、を掛けた式を考えて、について展開して平方完成すると、
定数項部分を考えるため、倍した定数項を考えると、
以上から、
よって畳み込みの計算は、
となり、が、期待値、分散の正規分布の確率密度関数となることが示された。
特性関数を用いる方法
確率密度関数のフーリエ変換である特性関数を用いると、これはほぼ明らかとなる。
の特性関数を考える。
の特性関数は、
の特性関数は、
なので、
これで、が、期待値、分散の正規分布の特性関数であることが示された。
命題 2
期待値、分散の正規分布に従う確率変数と実数がある。
確率変数は、
期待値、分散の正規分布に従う。
証明
直接的な方法
の確率密度関数をとして、の確率を考える
よって、の確率密度関数は、
これは、期待値、分散の正規分布の確率密度関数である。
特性関数を用いる方法
確率密度関数のフーリエ変換である特性関数を用いると、これはほぼ明らかとなる。
の特性関数を考える。
の特性関数は、
なので、
これで、が、期待値、分散の正規分布の特性関数であることが示された。
正規分布の再生性
命題1と命題2をあわせて、正規分布の再生性(reproductive property)という。