標準正規分布に従う確率変数のコサインの期待値
命題
標準正規分布
証明1
標準正規分布の確率密度関数は、
であるから、
なので、この積分を計算する。
を計算すればよい。
被積分関数の指数の肩を平方完成すると、
なる複素積分となる。
ここで、正の実数
とする。
また、
なので、
同様に、
そこで、
右辺の第二項は、実軸上でのガウス積分であり、
よって、
結局、
が得られる。
証明2
そこで、
とおく。
部分積分により、
がわかるので、
という漸化式を得る。これを繰り返し用いて、
となる。よって、
を得る。
補足
なお、
これは、被積分関数が偶関数と奇関数の積になるためである。
ここで検討した被積分関数のグラフは以下のようになる。ここでは、このグラフとx軸で囲まれた部分の(符号を考慮した)面積を求めたのである。
正規分布の特性関数を既知とするなら、この問題は非常に簡単である。
確率密度関数が偶関数であることから、
であるので、特性関数
に