確率の定義をする。
可測空間 / σ代数
を集合とする。
はの部分集合族で、次を充たすとする。
このとき、は上σ加法的(σ-additive)である、または、は上のσ代数(σ-algebra)であるという。
組を可測空間(measurable space)というが、が文脈上明らかなときは、単にを可測空間ともいう。
可測空間の基本的な性質
が可測空間であるとき、定義より、次は直ちに従う。
1つ目は、に対して補集合をとることで得られ、2つ目は、に対して、ド・モルガンの法則を用いることで得られる。
以上より、σ代数を端的に表現すると、次のようになる。
σ代数は、ある集合の部分集合族であり、空集合と基の集合そのものを含み、可算個の交叉(intersection)、可算個の合併(union)、そして、補集合(complement)を取る操作に対して閉じている。
確率空間 / 確率
を可測空間とする。
上の実数値関数が次を充たすとき、を確率(probability)という。
は非交和(disjoint union)の意味である。
組を確率空間という。
この文脈では、は標本空間、の元は事象と呼ばれる。
確率の基本的性質
定義より、次は直ちに導ける。
証明
より、1つ目が成り立つ。
は、を意味するから、このとき、
よって、2つ目が成り立つ。
また、
より、
したがって、3つ目が成り立つ。Q.E.D.